睡眠時無呼吸と扁桃肥大
について

寝ている時にいびきが大きい、息がとまっていると指摘された。
(お子さんの)扁桃腺が大きいけれど大丈夫?

そのような場合は、一度当院でご相談頂けたらと思います。
睡眠時無呼吸症候群は成人の方にもお子さんにも起こる病気です。
成人の方とお子さんでは、原因も違いますので、それぞれについて説明させていただきます。

よくご相談されることをQ&A形式でまとめました。

寝ている時に、鼻からのどまでのどこかが狭くなることで生じます。
大人のいびき、無呼吸の原因としては、特に下顎が小さく、寝ている時に舌の根っこ(舌根)が奥に沈みやすい方に多いといわれています。
鼻から喉までのどこかが狭くなると起こりやすいため、アレルギー体質がある場合は、鼻炎による鼻づまりも一因となります。
お子さんではアデノイドや口蓋扁桃という扁桃腺が大きいことが最大の原因となりますが、大人では扁桃腺は小さいことが多いです。

当院では、いびきや無呼吸に対する検査を実施しています。

  • 簡易ポリソムノグラフィ検査
    寝ている時に検査機器を装着し、無呼吸がでているかをモニタリングします。当院でも、検査機器の貸し出しを行っていますので評価が可能です。
    ※簡易ポリソムノグラフィ検査の結果、病院で1泊2日の入院をして脳波なども含めて測定する精密検査(ポリソムノグラフィ検査)が必要と判断した場合は、総合病院に紹介をさせて頂く事があります。
  • 内視鏡検査
    いびき、無呼吸は寝ている時に鼻から喉までのどこかが狭くなることにより生じます。
    起きている状態での評価となりますが、検査をすることで鼻から喉に狭いところがないか評価をすることが可能です。
  • アレルギー検査
    鼻炎による鼻づまりもいびき、無呼吸の一因となります。当院では、指先から少量の血液を採取することでアレルギーを調べられるドロップスクリーン検査を取り入れています。
    これまで、アレルギー検査を受けたことはないけれど、アレルギーの検査をしてみたい等ご希望がありましたらご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群があると良眠が妨げられ、日中の眠気や集中力の低下につながります。交通事故等のリスクも高くなるといわれています。また、様々な生活習慣病(高血圧、脳卒中、2型糖尿病など)のリスクも高くなります。しっかりと睡眠時間を確保しても日中の眠気が強い場合や、同居するご家族に無呼吸を指摘された場合は、一度ご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群は、1時間あたりに10秒以上息が止まる時間が何回あるかで評価します。
検査の結果、1時間当たりに5回以上息が止まる場合、睡眠時無呼吸症候群と診断します。
重症度は5~15回を軽症、15~30回を中等症、30回以上を重症と評価します。
睡眠時無呼吸症候群の程度によりおすすめする治療法は変わります。

  • 側臥位睡眠
    比較的、睡眠時無呼吸症候群の程度が軽い場合は、寝るときに仰臥位(仰向け)ではなく、側臥位(横向き)で寝ていただくと、寝ている時の鼻から喉までの通り道が広くなり無呼吸が改善することがあります。最近では、側臥位睡眠用のまくらなども発売されています。
  • マウスピース治療
    寝ている時にマウスピースを装用し、上あごと、下あごの位置を固定することにより、無呼吸の原因となる舌根沈下を防ぎ、無呼吸の改善を目指す治療です。軽症から中等症の中でも軽症よりの方であれば、マウスピース治療による無呼吸の改善が期待できます。マウスピース治療に関しては、歯科の先生にご紹介し作成していただきます。耳鼻咽喉科で検査を行い、睡眠時無呼吸症候群と診断することで、歯科で保険診療でのマウスピース作成が可能になります。
  • CPAP治療
    当院でも施行している簡易ポリソムノグラフィ検査で1時間あたり40回以上の無呼吸を認める場合や、入院でのポリソムノグラフィ検査で1時間当たり20回以上の無呼吸を認める場合は、保険診療でCPAP治療を行うことが可能です。
    CPAP治療は在宅医療機器を貸し出し、自宅で行っていただく治療になります。睡眠時無呼吸症候群は鼻から喉までの空気の通り道のどこかが寝ている時に狭くなることにより生じます。CPAPは寝ている時にマスクを装着していただき、マスクから圧をかけた空気を送ることで、寝ている時の無呼吸を改善し、中~重症の無呼吸では一番有効な治療です。
    CPAPを装用することにより、日中の眠気、集中力低下の改善や、交通事故、生活習慣病等のリスクの軽減が期待できます。
    当院でも、CPAP治療を行うことが可能です。CPAP治療開始直後は月に1回程度来院頂き、安定すれば、2ヵ月に1回程度でクリニックに来院していただきます。CPAPの治療費は、保険診療で3割負担の方で、月4000~5000円程度の治療となります。

いびきや無呼吸が気になる場合、適切な検査・治療やアドバイスができたらと考えています。お気軽にご相談ください。

寝ている時に、鼻からのどまでのどこかが狭くなることで生じます。
大人と比較すると、お子さんではアデノイドや口蓋扁桃という扁桃腺が大きく扁桃腺が空気の通り道を塞ぐことによっていびき、無呼吸を生じます。
アレルギー体質がある場合は、鼻炎による鼻づまりも一因となります。

当院では、いびきや無呼吸に対する検査を実施しています。

  • 簡易ポリソムノグラフィ検査
    寝ている時に検査機器を装着し、無呼吸がでているかをモニタリングします。
    当院でも、検査機器の貸し出しを行っていますので評価が可能です。
  • 頭部側面のレントゲン検査、内視鏡検査
    鼻のつきあたりにあるアデノイドという扁桃腺は、お子さんでは腫れやすい扁桃腺ですが、外からは見えない場所にあります。どの程度アデノイドが大きいかを評価するためには、顔を横から撮影したレントゲンや内視鏡検査での評価が有効です。
  • 家庭ビデオ
    検査ではないですが、自宅で寝ている様子を動画でとっていただくことも参考になります。自宅で就寝中の様子を数分動画に取っていただきます。仰向けに寝ている状態で、服をめくっていただき、胸郭が見えるように撮像していただくとわかりやすいです。胸郭が変動する陥没呼吸を生じているかを評価します。
  • アレルギー検査
    鼻炎による鼻づまりもいびき、無呼吸の一因となります。当院では、指先から少量の血液を採取することでアレルギーを調べられるドロップスクリーン検査を取り入れています。
    お子さんでも簡単にできる検査となりますので、これまで、アレルギー検査を受けたことはないけれど、アレルギーの検査をしてみたい等ご希望がありましたらご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群が長期に生じると成長ホルモンの分泌に影響し、からだの発育や顎の発達の遅れ、胸郭の変形などが生じます。低身長であったり、小顎になることが多く、小顎により歯列矯正が必要となったり、大人の無呼吸に移行していくリスクがあります。また、日中の眠気などにより、学習障害や注意散漫などを生じることがあります。また高血圧や夜尿などもリスクが増えるといわれています。睡眠時無呼吸症候群に対して適切な治療を行うことでこれらのリスクを軽減させる事が可能です。

アレルギー性鼻炎やアデノイド肥大が原因の場合は、お薬で症状が改善することがあります。
無呼吸が重症で、薬だけでの改善は難しい場合は、手術治療(口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術)が望ましいこともあります。当院では、手術治療までは対応していませんが、手術治療が選択肢と思われる場合には、手術ができる病院に紹介をさせていただきます。

いびきや無呼吸、扁桃腺の肥大について気になる場合、適切な検査・治療やアドバイスができたらと考えています。お気軽にご相談ください。