くびの病気

耳鼻咽喉科では、くびの病気も専門としています。くびの後方の病気は整形外科の先生方が専門とされている病気が多く、耳鼻咽喉科ではくびの前方の甲状腺、唾液腺(耳下腺、顎下腺)などの病気やリンパ節の腫れを専門にみています。
くびの病気を詳しくクリニックで調べる場合には、主に頸部超音波検査(エコー検査)を行います。

よくご質問を頂くことに関してはQ&A形式でまとめています。

甲状腺の病気

甲状腺はくびの正中下方にある臓器で、甲状腺ホルモンというホルモンを作成しています。
甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝にかかわり体を元気にする作用があります。

甲状腺の病気は、甲状腺のホルモン異常の病気と甲状腺のしこり(腫瘍)にわかれます。甲状腺ホルモンに関しては、血液検査で調べることが可能です。甲状腺のしこりがあるかどうかに関しては、頸部超音波検査(エコー検査)で評価を行います。

甲状腺の病気は無症状の事も多く、健康診断や他の病気の検査などで偶然指摘をされてびっくりされることが多いです。甲状腺の病気には無症状で経過観察が可能な病気も多いですが、治療が必要なケースもありますので、耳鼻咽喉科での評価を受けて頂くことをおすすめします。血液検査やエコー検査を行い、評価をさせていただきます。

大きく甲状腺のホルモンが過剰に分泌される病気(甲状腺機能亢進症)と甲状腺ホルモンが足りなくなる病気(甲状腺機能低下症)に分かれます。
甲状腺ホルモンが多くなると、体が過剰に活発になり、動悸や汗がふえたり、普段と同じように食事を食べてもやせたりします。逆に、甲状腺ホルモンが少なくなると、活気が出にくくなります。
甲状腺のホルモンが過剰に分泌される病気の代表例としてはバセドウ病、甲状腺ホルモンが足りなくなる病気の代表例としては橋本病があります。
バセドウ病、橋本病いずれも、甲状腺を刺激するような特殊な免疫力が原因となるといわれており、血液検査での評価が可能です。
バセドウ病の場合は、まず甲状腺のホルモンを抑えるような薬(抗甲状腺薬)で治療を行うことが多く、橋本病の場合は、足りないホルモンを補うお薬の補充を行うことが多いです。
当院では、バセドウ病の治療に用いる抗甲状腺薬に関しては、副作用のリスクもあるため、必要な場合は、専門の内分泌内科の先生にご紹介させていただきますが、橋本病の場合の、甲状腺ホルモンの補充に関しては、当院で治療させて頂くことが可能です。

甲状腺のしこり(甲状腺腫瘍)は比較的多い病気であり、健康な方であっても、エコー検査を行うと一定の割合で見つかるといわれています。決して珍しい病気ではなく、多くのしこりは良性で、緩やかにしか大きくならないことも多く、定期的に経過観察をしていれば問題を生じない場合が多いです。ただ、甲状腺のしこりの中にも、一部では悪性のしこりも存在するため、甲状腺腫瘍を指摘された場合は、耳鼻科での評価を受けて頂くことをお勧めします。一般的に甲状腺腫瘍はお薬の治療では小さくならず、定期的に経過観察を行うか、手術で摘出するかになります。甲状腺腫瘍が見つかった場合は、治療が必要なのか、定期観察が可能なのかを評価させていただきます。

唾液腺の病気

くびには、口の中に唾液を分泌する唾液腺があります。
大きな唾液腺には、耳下腺、顎下腺などがあり、それぞれ、唾液を作成し、導管という管から口の中に唾液を分泌しています。
唾液腺も感染を起こし、腫れることや、しこりなどが出来て腫れることがあります。
また、顎下腺の炎症を繰り返す病気に顎下腺唾石症があります。
唾石症とは、唾液腺から唾液を分泌する管(導管)に石のようなものが出来、唾液がうっ滞する事により感染をくりかえす病気です。唾石を疑う場合は、CT検査で唾石がないか評価を行うことが可能です。

リンパ節の病気

リンパ節の腫れには、主に炎症により腫れる場合としこり原因で腫れる場合があります。一般的に炎症により腫れるリンパ節は触ると痛みを伴うことが多く柔らかいことが多く、しこりが原因で腫れるリンパ節は、痛みが少なく固いことが多いとは言われています。リンパの腫れが続く場合は、評価させていただきますので、ご相談ください。